教室紹介

名誉教授挨拶

より良い医療を目指して

 当教室は昭和55年(1980年)に熊本大学第三内科腎臓グループとして発足し、大学院大学への移行に伴い,平成16年(2004年)4月から熊本大学大学院医学薬学研究部・腎臓内科学分野に、さらに平成22年(2010年)1月からは熊本大学大学院生命科学研究部・腎臓内科学分野へと名称が変更しました。
 平成25年3月に冨田が定年退官し、平成26年4月1日より、京都大学から向山政志教授を迎え、活気強い教室運営を開始しています。
 大学病院も独立行政法人化後、外部評価に耐えられるよう高い目標に向けて努力と成果が求められています。
 これまで臨床活動としては、腎炎、ネフローゼ症候群、膠原病、糖尿病、腎不全、血液透析、腹膜透析、高血圧、電解質異常、輸液など多数の症例を蓄積し、卒後研修カリキュラムや専門医になるための指導を充実させてきました。日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本高血圧学会の認定施設であり、それぞれの認定医、専門医、指導医などの資格を得ることを初期目標にし、全身を診ることのできる腎臓医を育ててきました。また、熊本県内の腎生検に対しカラー版の報告書を送付し、組織診断・治療のネットワークを作っています。臨床の具体的な討論の場として、フットワークの軽い集まりも行っていますし、国内外の学会にも積極的に参加し、最近の知見を吸収しています。
 臨床研究としては関連施設や地域の医師との共同により多数の成果が得られていますし、今後も大規模臨床研究を計画しており、熊本から世界に発信できる臨床研究をたくさん出していける環境にあります。基礎研究は既に世界トップレベルにあり、特にアメリカ腎臓学会には例年多数のエキサイティングな演題を持って参加しています。また、積極的に国内、海外への留学を勧めています。多くの教員がアメリカ合衆国に3年もしくはそれ以上の留学経験があり、多数の海外の友人や著名な研究者との交流が盛んです。今までにNIH、テキサス州立大学、エモリー大学、フロリダ州立大学、ケースウエスタンリザーブ大学、ユタ州立大学など多方面に留学しています。
 英国のノーベル賞作家のラドヤード・キプリングという人がこんな事を言っています。「もし君が英国しか知らないとしたら、君は英国を知らない」この中の「英国」という言葉を「腎臓」、「日本」という言葉に置き換えてみてください。腎臓しか知らなかったら腎臓専門医はつとまりません。高血圧、糖尿病、膠原病、腎臓が働かなくなった人工透析患者さんなど全身疾患を診ることができて初めて腎臓医といえるのです。さらに、広く海外に目を向けて、世界から日本を見ることも大切です。
 患者さんの全身を診ることのできる信頼されるグローバルな医師をめざし、よりよい医療をおこなって欲しいと考えています。



熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学分野
熊本大学医学部附属病院 腎臓内科 〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘1丁目1-1  TEL.096-373-5164

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